出てきたパックを取ろうとした時、横からスッと手が伸びてきて買ったばかりのいちごミルクが取られてしまった。 手の持ち主の方を向くと、頬にひんやりとしたものがぶつかった。 三谷君がミルクティーを差し出していた。 「気が変わったから交換。」 「えっ・・悪いよっ・・・!」 「昨日のお礼もしたかったし。」 「あのっ・・・」 三谷君は早口でそう言うと、奈緒がお礼を言う暇も与えずに手をひらひら振って行ってしまった。