流れる雲

  ―次の日―
 「いってきまーす」
 そう言って私はいつもより10分遅く家を出た。和弥と会わないようにするために。。。
 
 

いつもの道。いつもの駅。いつもと何も変わらない。変わったのは隣に和弥がいないことだけ。
 『プルルルルルル~番線の電車が――』
 駅にアナウンスが流れる。私が動こうとすると後ろで声がした。
 「ちょい。そこの人。」
 男の人だった。私が振り返るとその人は手招きした。私はいやいやその人の所に行った。
 「なんですか?私その電車に乗らなきゃいけないんですけど。」
 私はいらいらしながら言う。