靴はパンプスだけど、膝より長い丈のドレスを着てるあたしは、スーツを着ている舜くんのペースには付いて行くのは大変。 「し、舜くん!」 名前を呼ぶと、足を止めてこっちに振り向く。 いつのまにか、会場を出て外に来ていた。 「なぁに?美帆ちゃん」 「は、速いよ」 一瞬、キョトンとした舜くんだけど、すぐに笑顔になって、 「もうそこだよ」 と言うと、 今度はゆっくりのペースで歩き始めた。