「優様、葵様、美帆様。会場にお付きになりました」 運転手さんの『じぃ』があたし達に声をかける。 優[ユウ]とはパパの名前。 葵[アオイ]はママの名前。 じぃの本名は『真人』だった気がする。 「ありがとう」 「美帆、行きますよ」 「はい!」 先に降りたママがあたしに差し出した手を握って、ピョンと飛び降りる。