「フィアンセって言うのはね、結婚する約束をした人のことを言うんだよ!」 「へぇーそうなんだ!」 そんなこと言われてもピンッと来ない。 結婚? 何それ? 美味しいの? 「まぁ、いいや!フィアンセになってくれる?」 「????……いいよ!」 軽く悩んだすえに、大きく頷いた。 笑顔で返すと、舜くんはまたニヤッと笑ってあたしの手を掴み、さっき来た方向に走り出した。 「え、舜くん!?」 今度はあたしの呼びかけに応答しないで、どこかに向かって走る。