「あなたは・・・・。」

しばらくしてから、

眉を潜め 麗香が口を開いた。

「あなたは、今桜美組に反する

行動をとりましたの。

この私の言葉に正しくない。

とそう仰ったのよ!?」

稟は真っ直ぐな瞳で頷いた。

「!!・・・それはどういうことか

分かっての言葉なのね?

今、あなたは桜美組全てを

敵にまわした事になるのよ!?」

稟は少し口端を上げ、首を傾げた。

「私はそういう制度とか?

全く分からないんで。

この前入学してきたところなので。

あ、でも1つだけ今日

分かったことがありますね。

この学園の生徒会は

親の権力とやらに、

ものを言わし、この学園と

生徒達を支配してる。

自分一人じゃ何にも出来ない

ただのお嬢様お坊っちゃまだ。

という事くらいでしょうか。」

稟はニッコリと微笑む。

その姿は実に可愛く美しかった。

取り巻きの生徒達からも

溜め息の声が漏れるほどに。

その時、怒りで震える麗香の手

が動き、稟の頬に飛んできた。

稟は避けることもせずに

ただ真っ直ぐに彼女を見据えて

立っている。

誰もが 息を飲んだ。