そんなやり取りをしていると

後ろに、ある気配が近づいた。

「失礼。ここ通らせていただける?」

2人がギョッと振り替える。

そこには桜美組の人々と

取り巻きの生徒たちがいた。

玲と稟は頭を下げ、端に寄る。

「あら、貴女方ね。

入試から一二を争っているという二人組は。

お噂はかねがね聞いていましてよ。

たしか良い育ちの二人だとか。

桜美組には是非、貴女方みたく

素質のある方々にやって戴きたいわ。

こんな何処から集まったか分からない

下及家族の人間には決して

勤まらないものね。おほほ。」

後の方の言葉は小声で囁き

金の髪を揺らし微笑むその姿に

稟は頭の何かが切れるのを感じ

、下げていた頭をあげた。

「失礼ながら。

人を家柄で判断する行為は

桜美組の。いえ、この学園の生徒会長として

良い行為でしょうか。

家柄が良かろうと悪かろうと

この学園を心から想い、

それだけの能力さえあれば

桜美組に相応しい人材となると

私は思うのですが。」

突然の桜美組に反する

稟の行動に麗香だけでなく

他の三人の桜美組や

取り巻きの生徒たちまでも

驚きを隠せず唖然としていた。