次の日、HRが終わり
いつものように
みんな帰って行く
「愛、一緒帰ろ?」
「ごめん、美樹
今日ちょっと用事あるんだ」
「あら、珍しい
じゃあ先帰っとくね?」
「ごめんね、ばいばい」
アタシの用事ってのは──…
ガラッ
「高野せーんせ?」
そう、高野先生──…
「伊崎か、どうした?
俺に数学教えてほしいってか?」
昨日みたいな幼い笑顔で
また笑いかけてくる
「残念
アタシ数学得意なんだよね」
「お前よく授業サボるくせ
頭いいよなあ」
「ありがと」
「おいおい、
サボりの否定しないのかよ」
「だって先生の言う通りだし。
授業とか出てられるかってかんじ」
「それ教師の前で
言うことかよ」
今度はふっと笑った先生
「ねえ、先生
やっぱアタシ教えてほしいことある」
そう言って
先生に近づいていく

