女王蜂と、蛇。





「俺はトクが好き。」



「え?」


先輩がゆっくり歩み寄ってくる
こんな時でも、先輩の瞳は
何かを憂いてるようで
とても美しかった。
白い肌が寒さで赤く染まってる。


「でも、俺が好きなのは
『トク』で『徳永麗花』じゃない」

「どういうことですか」


「お前は俺らの可愛い後輩
だから、お前とは付き合えない」


「...それ、本心ですか?」

「あぁ。俺、部屋戻るわ」


急いで部屋に戻る先輩を
思わず引き止めた。

いま、言わなければ..



「じゃあ....何で、泣いてるの?」


「は、泣いてねーよ..!」


振り返った彼の顔に
透明な雫が流れていた。

そんな風に睨まないで?
そんな悲しい目をしないで?

梅沢先輩..

何を隠して、何を騙してるの
何故素直にならないの