《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜

実際には普通に足音を
たてて、梓は廊下を歩いて
きてるだろう。



オレは雑誌を素早く閉じて
サイドボードに戻すと、
何事もなかったように
ほほ笑んで梓を見る。



「ちゃんと買えたか?
パティスリー・ルナのケーキ」



「……まぁ、ご命令です
から買って来ましたけどね。

あそこの店いつも人気です
から、けっこう待たされました」



無茶な使いに走らされた
のが不満なのか、待た
されたのが不満なのか。



梓はむくれ顔で言いながら
部屋に入って来て、応接
セットのテーブルの上に
ケーキボックスを置く。



「――言ったからには、
当然副社長もお食べに
なりますよね?」