《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜

「へぇ………」



知らず知らずのうちに
声が漏れる。



驚きとも、怒りとも、
悲しみともとれない――


なんだかえらくふざけた、
変な声だった。



(そうか――もう――…)



もう、そんなに経ったんだな。




その時だった。



なんの前触れもなくドアが
ガチャッと音をたてて
開いて、オレは思わず
ガバッと顔をあげる。



「えっ………?」



オレの反応に驚いた
らしい梓が、目をパチパチ
させてそこに立っていた。



「あ……悪い。何でもない」



時計を見ると、梓が出て
行ってから30分ほど過ぎている。



戻って来て全然おかしく
ない時間だし、前触れが
ないと思ったのはオレが
集中してたからだ。