《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜

「はっ!?」



「甘いもの。

そうだな、パティスリー・
ルナのケーキとかがいいな。

すぐ買って来てくれ」



梓はオレの命令に目を
白黒させてる。



めんどくさくなったオレは
ダメ押しで、



「コラ。
上司命令が聞けないってのか?

オレが行けって言ったら
すぐ行く。

そうだろ、副社長秘書?」



「な…………」



梓は軽く眉を吊り上げた
ものの、結局は諦めたのか
『わかりました』と低く呟いた。



立ち上がり壁にかけた
スプリングコートを
つかんで、小さくドアを
開けて部屋を出ていく。



「………よしよし」



満足げに頷いて、オレも
梓が戻って来るまでつかの
間の休息をとるべく、
見ていた資料を閉じた。