《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜

「悪い、オフクロ。

今はこれしか言えない」



オフクロの言葉を遮って
そう告げると、電話の
向こうから不満そうに息を
のむ音が聞こえてきた。



「ゴメン。

いつか――近いうちに、
必ずちゃんと話すから――」



こんな言葉でオフクロが
納得しないのはわかってる
し、煮え切らなくて情け
ないと思う。



だけどやっぱり、今は
まだ言えない。




――オフクロの顔、梓の顔。



大切な人達の顔を思い
浮かべて、オレは大きく
ひとつ、ため息をついた。





     ☆☆☆☆☆




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