「悪い、オフクロ。
今はこれしか言えない」
オフクロの言葉を遮って
そう告げると、電話の
向こうから不満そうに息を
のむ音が聞こえてきた。
「ゴメン。
いつか――近いうちに、
必ずちゃんと話すから――」
こんな言葉でオフクロが
納得しないのはわかってる
し、煮え切らなくて情け
ないと思う。
だけどやっぱり、今は
まだ言えない。
――オフクロの顔、梓の顔。
大切な人達の顔を思い
浮かべて、オレは大きく
ひとつ、ため息をついた。
☆☆☆☆☆
_
今はこれしか言えない」
オフクロの言葉を遮って
そう告げると、電話の
向こうから不満そうに息を
のむ音が聞こえてきた。
「ゴメン。
いつか――近いうちに、
必ずちゃんと話すから――」
こんな言葉でオフクロが
納得しないのはわかってる
し、煮え切らなくて情け
ないと思う。
だけどやっぱり、今は
まだ言えない。
――オフクロの顔、梓の顔。
大切な人達の顔を思い
浮かべて、オレは大きく
ひとつ、ため息をついた。
☆☆☆☆☆
_

