《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜

心のどこかではたしかに
そう思ってるのに、なぜ
だかすんなりと言葉が
出てこなかった。



――どうしてかはわからない。



認めて後に引けなく
なるのが怖いとか、そんな
女々しい感情じゃない。

それは確かだ。



オレの心はもうとっくに
決まってる。



ただ―――そうだな、
なんていうか――…。



“今のオレには、まだ胸を
張って『そうだ』という
資格がない”



そんなニュアンスが、
近い気がする。




……長い間の後、オレは
静かな声で切り出した。



「アイツは……梓は、
オレにとって特別な
存在だよ。すごく」



『え? どういうこと?

だから、それって――…』