今度はオレが黙り込んだ
もんだから、電話口から
オフクロの大きな声が
飛んでくる。
「んなわめかなくても
聞こえてるよ」
あしらうように言って――…
正直オレは迷ってた。
オフクロに、なんて答えるか。
――隠そうだなんて思ってない。
オレ達は間違ったことや
悪いことをしてるんじゃ
ないんだから。
今まで言わなかったのは、
梓の微妙な心に配慮したり……
副社長に就任してまだ
日も浅いから、もう少し
全部が落ち着いてからで
いいんじゃないか。
そう思ってたからだ。
それならば――今こうして
すでにバレてることが
わかったなら、あっさり
『そうだよ』と認めれば
いいのかもしれない。
もんだから、電話口から
オフクロの大きな声が
飛んでくる。
「んなわめかなくても
聞こえてるよ」
あしらうように言って――…
正直オレは迷ってた。
オフクロに、なんて答えるか。
――隠そうだなんて思ってない。
オレ達は間違ったことや
悪いことをしてるんじゃ
ないんだから。
今まで言わなかったのは、
梓の微妙な心に配慮したり……
副社長に就任してまだ
日も浅いから、もう少し
全部が落ち着いてからで
いいんじゃないか。
そう思ってたからだ。
それならば――今こうして
すでにバレてることが
わかったなら、あっさり
『そうだよ』と認めれば
いいのかもしれない。

