《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜

今度はオレが黙り込んだ
もんだから、電話口から
オフクロの大きな声が
飛んでくる。



「んなわめかなくても
聞こえてるよ」



あしらうように言って――…

正直オレは迷ってた。



オフクロに、なんて答えるか。



――隠そうだなんて思ってない。

オレ達は間違ったことや
悪いことをしてるんじゃ
ないんだから。



今まで言わなかったのは、
梓の微妙な心に配慮したり……

副社長に就任してまだ
日も浅いから、もう少し
全部が落ち着いてからで
いいんじゃないか。

そう思ってたからだ。



それならば――今こうして
すでにバレてることが
わかったなら、あっさり
『そうだよ』と認めれば
いいのかもしれない。