《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜

「……迷惑だなんて思わない。

でも――あたしには何だか
まぶしかったかな」



一瞬迷ったけど、正直に
本心を口にする。




……楽しかった。


柊弥の家族の温かな
空気に触れて、あたしまで
ほんわり幸せな気分になれた。



でも同時に、あたし
みたいな人間がこんな所に
いていいのかっていう
気後れや戸惑いも、確かに
感じた。



実の親のぬくもりすら
知らないあたしに、こんな
温かな場所はふさわしく
ないんじゃないかって……。




「……ゴメンね」



申し訳ない思いでポソリと
謝ると、柊弥はフッと
かすかに息をもらす。