《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜

あたしを家族の集まりに
参加させて。



そしてあたしをその一員に――

“家族”に、加えたかった。



「あたしに家族がいないから。

だから――……」




柊弥なりの優しさで。



柊弥はあたしに、家族って
いうもののぬくもりと……
そしてそれに代わる
場所を、与えようとして
くれたんじゃないかって。



時間が経つと、だんだん
そんなふうに思えてきたんだ。




柊弥はすぐには答え
なかったけど、その代わり
無言であたしの髪をすく
ように撫でた。



その沈黙が、何よりの答えだ。



やがて柊弥は、いつもの
落ち着いた低い声で、



「――迷惑だったか?」