そう……ドキドキするのは
きっと、それがあたしに
縁のない言葉だからだ。
あたしには家族と呼べる
相手なんて、昔から
いなかったから。
だからそれがどんな感覚
かもわからないし……
“家族同然”だなんて
言われると、むしょうに
くすぐったくてどうして
いいかわからなくなる。
そんなあたしに最後にもう
一度『本当に今日は
ありがとう』と言って、
社長は去っていった。
まだソワソワしてぎこち
ない動作でジャケットを
羽織ってると、入れ違いに
柊弥がやって来る。
「車出す準備してきた。
送るぜ。
お前はもう大丈夫か?」
「あ、う、うん」
きっと、それがあたしに
縁のない言葉だからだ。
あたしには家族と呼べる
相手なんて、昔から
いなかったから。
だからそれがどんな感覚
かもわからないし……
“家族同然”だなんて
言われると、むしょうに
くすぐったくてどうして
いいかわからなくなる。
そんなあたしに最後にもう
一度『本当に今日は
ありがとう』と言って、
社長は去っていった。
まだソワソワしてぎこち
ない動作でジャケットを
羽織ってると、入れ違いに
柊弥がやって来る。
「車出す準備してきた。
送るぜ。
お前はもう大丈夫か?」
「あ、う、うん」

