《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜

あたしはなんとなく気後れ
してその場で突っ立ってしまう。



それに気づいた柊弥が
振り返ってあたしを
呼ぼうとしたけど、
それよりも一瞬早く、



「ホラ、香川さんも
こっちにいらっしゃいな。

おいしいお料理、いっぱい
用意したのよ!」



そう言ってあたしを手招き
してくれたのは、社長。



その側にいた郁実クンは
トテトテとあたしの方まで
歩いてきて、



「どうぞ、おねえさん!

今日はお休みにわざわざ
来てくれてありがとう
ございます」



パアッと花の咲くような
笑顔で、郁実クンは
あたしの手を取る。



「あ…………!」



郁実クンに引っ張られて、
あたしは明るい室内に足を
踏み入れた。