《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜

子供みたいな手法だと
内心自嘲しながら、
あたしはダメもとで柊弥に
言ってみた。



すると柊弥は曖昧に笑って、



「金のことなんかお前が
気にしなくていいんだよ。

オレが来たいから来てるんだ。
それでいいだろ」



―――ホラ、やっぱり。



きっと柊弥もあたしの
本心には気づいてる。



だけどそれでも……
やっぱり柊弥は何も話して
くれない。教えてくれない。




――柊弥はあたしに、
自分のことを隠そうとしてる。



そのことに、もうあたしは
とっくに気づいてた。



柊弥が隠そうとしてる
のは、きっとあたしに
出会う直前にあったことだ。