《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜

副社長としての顔と、
恋人としての顔。

それ以外、何も知らない。



そう……例えば、柊弥の
過去も――…。



「……………っ」




バカだな、あたし。



考えたって意味ないって
わかってるのに、つい色々
考えちゃって……


そしてあらがいようのない
不安に襲われて、思わず
体をかたくしてしまった。



何やってるんだろ。柊弥は
今隣にいるっていうのに。



「……? どうした?」



些細な変化でも、体を
触れ合わせて隣にいたら
気づかないわけない。



不思議そうに尋ねてくる
声に、あたしは慌てて
かぶりをふった。



「ううん、何でもない」