《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜

思わず金切り声で叫ぶと、
そのお客様――かシェフか
わかんない人は、
『どうも〜』と笑顔で
手を振った。



「は…………」




何、これ。



もう、何がなんだか
サッパリわからない。



一体あたしは、柊弥の
どんな罠にはまっちゃった
ってゆーの――…?




「とにかくこっちに
おいでよ、お姉さん!」



無邪気な笑顔で手招きする
郁実クンの声に、周りの
空気もワッと動き出した。



「そうだな。

主役が入口で突っ立って
ちゃ、いつまでも始まらん」



「ですね。

ささ、柊弥クンも香川
さんも、どうぞこちらへ」



柊弥のお父さんが、三浦
さんが――全員が、口々に
あたし達を呼ぶ。