《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜

でも別に暇だなんてことはない。


するべき事務仕事だって
山のようにあるのに、今の
言い方はちょっとカチンと
きちゃうぞ。



「失礼ですけど、副社長が
書類の確認や整理を
しょっちゅうお忘れに
なるせいで、あたしは
しなくてもいい雑務を――」



「あーもー、わかったわかった!

これからは確認も整理も
ちゃんとするからっ。

だからとにかく、行ってくれ!
わかったな!?」



柊弥はあたしのセリフを
遮ってわめくようにそう
言うと、机の上の荷物を
まとめてサッサと部屋を
出て行ってしまった。

今からも、専務と
ミーティングなんだ。



「何あれ……わけわかんない!」



柊弥の足音が聞こえなく
なってから、あたしは
腹立ちまぎれに小さく叫ぶ。