《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜

そっと顔をあげると、
柊弥はあたしの髪を優しく
撫でて、



「そんな顔するな。別に
怒ってるんじゃない。

オレの方こそ……悪かったな。
お前がそこまで悩んでる
なんて、気づいてなかった……」



「柊弥―――…」



「隠し通そうとしてた
わけじゃない。

ただオレの中で整理がつく
までは、半端な状態で話も
できなかった。
それだけなんだ。

だけどすまなかった。
お前を不安にさせて――」



そうして柊弥は静かに
話し出してくれた。



美香子さんから聞いた
部分も全部、もう一度
柊弥の口から。


そして、



「美香子と別れて普通の
生活に戻ってからも、
オレはどうしようもなく
空虚だった。

ヤケにはなり切れなくて
留学は続けてたけど、正直
何が目標で何が生きがい
だったのかも、わかんなく
なってて――」