《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜

だからあたしは少しだけ
顔をあげて……今にも
触れそうな距離に柊弥の
吐息を感じながら、
もう一度言った。



「柊弥が好き。

大好きで、すごく会い
たくて――ずっとずっと
走ってきたんだよ」



あふれそうな想いをかかえて。



今にも叫び出したくなる
ほどの『好き』を、必死に
押さえて。




――だからもう、我慢できない。



「バレたっていい。

あたし、誰にでも胸を
張って言えるもん。

柊弥が大好きだって。

――誰よりも何よりも、
柊弥が大切だって」



この世界に柊弥ほど
愛しいと思えるものなんて
存在しない。



暗かったあたしの世界が
輝き出したのは――それは
この世界に、柊弥がいたからだ。