頭を殴られたみたいな
衝撃が走る。
二人の距離や雰囲気から、
ただの知り合いじゃない
だろうとは思ってた。
でも、婚約だなんて……。
それに『昔の』って
言うなら、どうして今、
こっそり会ってたりするの?
動揺と混乱……それに
何よりもショックで、
一言も次の言葉が紡ぎ出せない。
そんなあたしをいたわる
ように、美香子さんは
控えめな声で聞いてきた。
「失礼だけど、あたし――
というか柊弥の昔のことは
何か聞いているの?」
「えっ……」
“昔のこと”。
あたしはそんなの、
何ひとつ知らない。
あたしはうつむいて
首を横に振った。
「何も。
彼は何も、話して
くれませんから……」
衝撃が走る。
二人の距離や雰囲気から、
ただの知り合いじゃない
だろうとは思ってた。
でも、婚約だなんて……。
それに『昔の』って
言うなら、どうして今、
こっそり会ってたりするの?
動揺と混乱……それに
何よりもショックで、
一言も次の言葉が紡ぎ出せない。
そんなあたしをいたわる
ように、美香子さんは
控えめな声で聞いてきた。
「失礼だけど、あたし――
というか柊弥の昔のことは
何か聞いているの?」
「えっ……」
“昔のこと”。
あたしはそんなの、
何ひとつ知らない。
あたしはうつむいて
首を横に振った。
「何も。
彼は何も、話して
くれませんから……」

