《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜

ここまで来たら、望んでた
とおりのことを聞くだけだ。



「あのあたし、高城柊弥の
秘書をしています、香川梓
っていいます」



とりあえずあたしは
自分の名前を名乗った。



すると美香子さんはほんの
少しだけほほ笑みを浮かべて、



「梓さん……とおっしゃるのね。

はじめまして。田山美香子です」



口調といい物腰といい、
何だかすごく上品で
おしとやかな人だ。


丁寧に挨拶されて逆に
たじろぎそうになる。



「突然お呼びたてして
すいません。

実は――その、柊弥と
あなたのことで、聞きたい
ことがあって」



回りくどい前置きをしてる
余裕なんて、あたしには
さらさらない。