「なんか元気出てきましたっ!」


「ぇ?」


突然そんなことを言うから驚いた。


「あたし…実は彼氏とケンカしたんです。嘘ついててすみません…」




ズキン…─





彼氏…いたんだ。
そりゃいてもおかしくないけど…
どこか心の片隅で、この先の妄想が広がっていた。



このままいい感じになって…最後には付き合っちゃう。







なんてバカなことを考えていたんだろう。




「そ、そっか…じゃぁ、もう家に帰った方がいい。きっと皆心配してる。」


悲しそうな顔を見せまいと普通に言った。





「そうですね…ごめんなさい。あたし、帰ります。」