彼が期待に頬を緩めていると、エアリアがなにかぶつぶつ言い出した。
 彼女は想いと一緒に深く、闇の中へと思考を沈める。
「今日はおまえのたんじょうびというものらしいからな、この時代の習慣に倣って……」
「ちょっと待って……」
「なんだ」
 彼は黙って柱の掛け時計を示した。