「えーっ!?クラス、離れちゃったじゃんっ!!」


掲示板に張り出されたクラス表を見て琴音が項垂れる。


「仕方ないよ。

こんだけ人数がいるんだから」


「だからって1組と6組ってさあーっ!」


「まあまあ、落ち着いてよ。

会えないワケじゃないんだから」


確かに琴音とクラスが離れたのは残念だったけど。

そんなに落ち込まなくても…


ほら、琴音。

めちゃくちゃ周りから注目浴びてるよ?



「くっそぉ…!

絶対奏のクラスに遊びに行くからね!」


「分かった。待ってるよ。」


琴音のクラス…1組の前でそんな話をして琴音と別れる。

そして私は自分のクラス…6組に向かった。



「…あ、あの木…」


廊下の窓の外に見えた景色に目を奪われる。

あんなところに桜の木なんてあるんだ…


窓の外に見えたのは大きな桜の木。

ピンクの花びらが舞い、地面を桜色に染めていた。


そして、その木を見上げる男の人になぜか目が奪われた…