「分からないなら別れたほうがいい」


ベンチに座っていたはずのよーたくんがいつの間にかそばに立っていた。



「先生。今は俺と奏が話してるんです。

もうしばらく、黙っておいてもらっていいですか?」


「無理だ。聞いてられない。」


「あなたには関係ないじゃないですか!」


決定的な一言だと思った。

確かによーたくんは私の先生だったけど。

でも、関係的に言えばそれだけ。

だからこの話によーたくんは関係ないのだ。



「ああ、分かってる。

俺は部外者だ。

でも…奏を傷つけてほしくない」


そう言ったよーたくんの目は真っ直ぐで。

ドキッとしてしまう。



「テルくん、キミのことは類や碧からも聞いてるよ。

すごくカッコよくてイケメンだ、って。

確かに奏を変態店長から守った話なんてすごくカッコイイと思うし、感謝もしてる。


だけど…俺は許せないよ。

奏みたいな優しい彼女がいるのに、

酔ってしまったことを言い訳にして許しを請うのは、

奏が許しても俺は許さない」