「…別れそう?」
「うん。
こんなこと、よーたくんに言ったところでどうにもならないのは分かってるし、困らせるだけだっていうのも分かってる。
でもなんか…伝えなきゃ…って…」
語尾がだんだん小さくなっていく碧。
「なんだよ、それ。
なんのイヤがらせだよ、お前ら…」
頭を抱える。
ホントにお前ら、何考えてんだっつーの。
「お前らさ、俺に言ったじゃん。
自分たちはテルくんと奏を応援したい、って。
…何!?
お前らは俺に奏を奪ってほしいのか!?」
興奮したって、
怒ったって、
なんの解決にもならないことは分かってる。
でもそう言わずにはいられなくて。
頭の中では
『別れろ』
そう強く願ってる自分がいて。
そういう自分にも嫌気がさす。
「ごめん。よーたくん。
やっぱり…言わないほうが良かったよな」
「謝るなよ…
謝るくらいなら、最初から言うな…バカ」


