「で、話っていうのは?」
お酒が運ばれてきてすぐに俺から切り出す。
なんとなく、焦らされる予感がしたから。
「一杯くらいゆっくり呑ませてよ。
それからでもいいだろ?」
「イヤだ。
さっさと話せ。」
「なんで?」
「イヤな予感がするから」
そう応えると類と碧は顔を見合わせ、
2人とも困った顔をする。
「実はさ、あたしたちここに来てまだ迷ってるんだ」
「え?結婚?」
「はっ!?なんでそーなんの!?」
碧の不快そうな顔。
やっぱり違うのか。
ま、もし結婚だったら胸騒ぎの理由がなんなんだ、ってことになるしな「。
「で、何に迷ってんの?」
「よーたくんに、このこと話していいのか」
…このこと?
「んなの言われたら気になるだろ。
迷ってんなら言えよ」
碧と類はしばらく見つめ合ったあと、
類が俺を真っ直ぐに見つめて言った。
「奏、テルくんと別れそうなんだ…」


