「1つ確実に言えることがあるよね」


「何?」


散々いろんなことを話した後、

コーヒーの追加注文をした碧が言う。



「テルくんと別れたほうがいい、

とかテルくんと別れなきゃいけない、

って奏がいくら思ったところで

奏は言えないってことだよ」


「…何を?」


「自分からテルくんに別れよう、って。」


碧の隣に座る類が激しく頷いている。



「そんなこと言わなくても…」


「事実だからしょうがない」


バッサリ類に言われ、意気消沈。



「とりあえず、旅行に行ってきなさい!」


「でも、こんな気持ちで行ってもテルくんに申し訳ないじゃん」


「じゃあ、断れるの?」


「え…それは…」


ほら見ろ、と言わんばかりの顔をする碧と類。



「行ったら行ったで楽しいと思うよ?

それに…」


碧の言葉の続きを類が言う。


「今焦って答え出す必要なんてないと思うし、

旅行中にやっぱり別れたほうがいい、って思ったんなら別れればいい。

な?だから旅行行ってこいよ」