「ねえ、マッチー」


「呼び方…」


「あのさ、奏からチョコもらった?」


「え…いきなり何?」


「いいから、答えてください」


手元にあるラッピングされた箱を見つめる。



「もらった…けど」


「ちょっと先に店行っててください」


「え!?よーたくん!?」


そんな町田先生の声をスルーして俺は体育館へ走る。

今日は部活は休みだ。

だけど出校日のアイツらが素直に帰らず体育館にいることはちゃんと知ってる。



「…あれ?よーたくんじゃん」


やっぱり体育館には3年の男子部員と碧、奏がいて。

振り返った奏は俺の手にあるソレを見て俯く。


そのリアクションで確信した。


やっぱりこのチョコ、奏がくれたやつだったんだ。