「あの、鞄…大丈夫です。自分で持つので。」 そう言って手を出すと、 「あのさぁ」 と振り返った広瀬君の顔は、ちょっと困ったような顔をしていた。 「はい…?」 不思議に思いながら次の言葉を待つ…。 「俺ら、今日初めてしゃべったっつっても、同い年なんだから別に敬語で話す必要なくね?」 「え、あ、はい」 「ほら~!今から敬語なしねー。ちなみに鞄はいいから、俺が持つ!」 「あ…ありがとう」 「ん、行こ」