「この本の上巻って何処にありますか?」


「あっはい、あちらです」



ちょっと離れた棚に案内した。



「こちらでよろしいですか?」


「はい。ありがとうございます」


「いえ」



軽く頭を下げ、さっき整理の途中だった棚に戻った。