大嫌いなアイツ

でも。



俺は歩けない。



「っ…っく。」



なぁ優子。



俺達…一緒になっちゃ
だめだったのか?



出会わなければ良かった
のかな…。



俺は出会えて良かったと
思う。



優子のおかげで愛す
ことを知った。



優子のおかげで思いやる
ことを知った。



色んなこと教わった。



「龍司くん。」

「ぁ…どうも。」



雰囲気で分かった。



優子のお袋さんだ…。



「優子の母親です。」

「初め…まして。」

「調子は…どうかしら?」

「…いい、ですよ。」

「そう…。」



優子と同じ顔…しないで
ください。



そっくりすぎて苦しい。