風音とたわいもない話で盛り上がりながら歩いていたら急に風音の足が止まった。

「風音？」

私の問いかけに風音は答えない、だぶん耳に入ってないのかな……。

風音は一点を見つめたまま動こうとしない。


風音が見つめてる先には。



一人の泣いてる女の子と………。


面倒くさそうに空を見上げる男の子。



そう、海斗さんだった。


どうやら私達は告白現場をみちゃったらしい。


私達だけじゃない、数えきれないほどのたくさんの人がその光景を見ていた。

「あれって……海斗さん、泣いてるってことはふったって事だよね」


風音は何も答えない。
たぶん、驚いてるんだと思う。


周りにいる皆も凄く驚いた顔をしている。


そう、その告白現場は

校庭のど真ん中で行われていた。


そして………。

海斗さんが降った相手

それは

この中学校のマドンナ


山本春日美なのだから。