「水城さぁん、ケガしたんだってぇ?大丈夫ぅ?」

「はぁ、大丈夫です」

この妙にブリブリしてるこの人がハンドボール部顧問、高橋智子
ハンドボールの経験もなく、部員ほったらかしにしていつも野球部に遊びに行ってる


ダメ教師。28歳。


「サッカーボールにあたるなんて災難ねぇ」

「いえ、サッカーではなく野球ボールです」

隣の風音を見る、怒りをこらえて震えていた。
風音はこういう人が一番嫌いらしく、いつも高橋先生と張り合っている。
先生に聞こえるとまずいから小さく風音と会話する。

(風音!おちついて。一応教師、一応)

(むかつくこいつ、むかつく)

(キレちゃだめよ!そのグーになってる拳をパーに変えて!)

(ムカつくんだよあの教師ぃ!!バカ教師!)

このままじゃぁ風音を抑えられそうにない

とりあえず高橋先生には早く用件を伝えてもらって帰ってもらおう。


「先生、なんか用事があるんですよね?」

「え?あ、そうそう、今週の土曜日ね~県大会につながる練習試合があるから」

「……先生いまなんて?」

「だから~今週の土曜日、練習試合ががあるの」

「「………」」

そんなの聞いてない!

聞いてないよ私たち!

(練習試合ぃ!?そんな事聞いてねぇよ!)

(私も知らないよ!)

「せっ、先生!今日木曜日ですよ、明後日じゃないですか!」

「ごめぇん、忘れてたぁ」

忘れてたって……この教師バカだ!

世界一のバカだ!

(忘れてただぁ!?こぉんのクソ教師ぃぃぃぃ)

(風音。暴力沙汰はやめてね)

(大丈夫。私も大人になったからもうキレないよ)


そうか、よかったぁ風音キレやすいから。

「先生!」

「あらぁ、伊藤さん。今日初めて話すわねぇ」

「そうですね、バ.......先生!」

バカって言おうとした?
今風音バカって言おうとした!

「ごめんねぇ、すっかり忘れてたのぉ」

「いいえ大丈夫です、先生の脳みそが腐ってる事くらい、みんな知ってましたから」

風音…自分がいってることの意味わかってる!?