「泣いてんの?」 そう声が聞こえて顔をあげると、 目の前にはフェンスのすぐ近くに寄ってきてた、佐々木くんだった。 「っー…。あーもー。」 ガシャガシャン フェンスの端にある小さな出入り口から佐々木くんは出てきて、 「いいから、こっちこいよ。」 と私の腕を掴んでグラウンドの中に座らせた、それから私の横に座って、 「これ使え。」 と大きいタオルを渡してきた。