今、お店の忙しさはピークに達していた。 「生ビール1つ!!」 「梅サワー2つ!!」 みんなとても慌ただしく動いている。 もちろんあたしも。 グラスを洗っていると、光輝くんが私の前にやって来た。 「玲、ふきん取って!」 呼び捨てで名前を呼んでくれた・・・ 嬉しかった。 もう、好きな人に名前を呼んでもらうことなんて出来ないと思っていたから・・・ すごく幸せな気持ちになれた。 あたしはこんな小さなことでも、十分幸せを感じていた。