そのままクラスのヤツを誘導しまた被服室に戻ってきた。
「つかれたー・・・。」
体操服から制服に着替えたあと机に体を乗せ、伸ばす。
「優っ。ケータイ光ってんぞ。」
「ああ・・・。さんきゅ。」
俺はエナメルからケータイを取り出した。
「もしもし・・・。」
「もしもし~?優??。」
聞こえたのはなぜか、はしゃぎまくっている母さんの声だった。
「何?」
「信汰さんに会えたでしょ~??」
電話からでもわかる。母さんの微笑んでいる姿。
「会えたけど・・・。俺、医者だって知らなかったんだけど。」
「あら~。ごめんねー。」
ホントに謝ってんのか?
トントンと背中を陸斗が叩いてきた。
このやろー。口で『マ・ザ・コ・ン』とパクパク言ってやがる。
「もう。切る。」
「えっ!?ちょっと待って。」
「何?」
ったく。早く言ってくれよな。
「今日、早く帰ってきてね。」
「あぁ。わかった。」
そのままピッと電源を切った。
「陸斗テメー!!」
「そっそんな怒んなって。」
母ちゃんとの電話邪魔されたぐらいで・・・。
という言葉に俺はキレた。
「未麗に言っといてやるよ。
俺のダチに最低なタラシ男がいるってな。」
そのまま呆然としている陸斗を置いて教室に戻った。


