あたしの目の前にあった建物は、 すっごく大きくて、なんか ヨーロッパみたいな感じ。 「ここ、ですか?」 「あぁ、そうだよ。真莉愛ちゃん、 これから君は、浦沢になる。 そのことを忘れないでね」 「・・・はい」 そっか。あたしはもう、 ”森”じゃないんだ。 ”浦沢”なんだ。