授業が終わってHRも終わった。
私は部活動に所属してないので、このまま下校になる。

「遊唖、帰ろ!」
竹も帰宅部だから、いつも一緒に帰ってるの。
「うん、ちょっと待って。まだ荷物が…」
私は急いで鞄に荷物を詰めて、竹と一緒に教室をでた。

「…ねぇ、遊唖」
学校を出て5分ぐらい経って竹がちょっと思い悩んだ顔で言ってきた。
竹、どうしたんだろ……。
ちょっと顔を赤らめながら、竹が大声で言ってきた。
「あっあたし彼氏でもつきゅろうかなぁって!!」
「つきゅろう?」
「ま・・・間違えた。作ろうかなって・・・」

その言葉を聞いてちょっと私、驚いちゃった。
竹は昔から人の恋愛(主に私)の事ばかりで、自分の恋愛の話をしたことがなかった。
恋愛にトラウマがあるとか、そんなことじゃないと思ってたんだけど・・・。

「好きな人・・・いるの?」
「えっ・・・そんな訳じゃあぁ・・・・・・」
あ、どうしよう竹がパニックになっちゃったわ・・・。
「あ・・・んんっ・・・そのね!」
「うん?」
「東郷君でも狙ってみよかなってね!アハハハ・・・」
ええっ?東郷って・・・富環の事だよね?
全然気がつかなかったけど・・・。
そっか・・・竹が富環を。

「何で富環を?」
恐る恐る訊いてみた。
こんなこと訊いちゃ駄目は分かってるけど・・・。
気になる。凄く気になる。

竹はちょっと戸惑いながらも、教えてくれた。
「東郷君ってウチの学校で遊唖の次に頭良いし、運動神経も良いし、ちょっとチャラいけど結構可愛い顔してない?」
そうなのかなぁ?そんな意識して富環のこと意識して見てないしなぁ・・・。
そんな事考えてると、竹が何かキラキラ輝く瞳で私を見てきた。
何?今度はどうしたの?

「って訳で、遊唖!協力して頂戴!!」

・・・?
私が竹の恋愛に協力・・・??

「っええぇぇぇ~~~~~!!!???」