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「ついたあ!!」

あれから、電車に30分くらい乗った。

…めっちゃしんどかった。


だって、
ラン、吏彩、陽くん、あたしの並び方で座るんだもん。

「ランの隣がいい」って言ったのに、吏彩が「ランの隣はあたしだけ!」とか言い出すし。


しかも、あたしの隣は中年のおじさん。
汗臭くてしゃーなかった。

陽くんは吏彩達と喋ってるし。

陽くんが一度だけあたしに話振ってくれたけど、ぜんぜん話聞いてなかったから呆れられたと思う。




…あたし、すごく場違いな気がする。



だってね、着いてからも、
「この服吏彩に似合いそう!」
とかって、ランが吏彩にベッタリするから。

あたしが強制的に陽くんと歩くことになるの!!






「あっ、吏彩ら このお店見るわ!」

「い、いってらっしゃい…。」


吏彩は長身やし美脚やから、ミニスカートが似合う。

いいなあ、うらやま。



「…あたしらどうする?」

「…この辺で待っとこ。すぐ出てきそうやしさ。」


そういって、隣のお店との間にある少しの壁にもたれかかった陽くん。

その横でしゃがみこむあたし。



…あ、飴ちゃんたべよ。

カバンの中をのぞいて、一際目立つカラフルな巾着ポーチを開く。


今持ってる飴ちゃんって、ひと袋に二つ入ってるっていうパターンやん。




「おっ、飴ちゃん持ち歩いてるんやあ!」