すると、携帯が手から滑り落ちてしまった。


携帯は、立ててある傘に衝突して、下に落ちた。



「あ~、落としちゃった」


学校用のリュックをおろしてから、携帯を拾った。



画面には、「通話中」の文字…


スピーカーから『もしもーし』という声が聞こえた。


恐る恐る、耳に当ててみる。


『もしもし、誰ですかー』



「え、茶髪くん…??」


傘にあたって、電話しちゃったみたい。


『あっ、もしかして、吏彩の友達の~…アメちゃんだ!』


「はいっ!! 柳 雨美 っです!」


『そうそう、アメミちゃんだ! 俺は、白澤 陽。漢字は…』


「太陽の"陽"ですよね! 吏彩に教えてもらいましたっ」


『そうなんや、…吏彩がいつもお世話になってますっ』


「いやいや、うちのランがいつもお世話になってます!」


『いえいえ。てか、俺ら同い年やし、タメでいいで?』


「あっ、じゃあ、陽くん よろしくねっ♪」


『お、おう! アメちゃんよろしく!』


吏彩と仲良いんやね!
って言おうとおもったら、玄関のドアが開いた。


「雨美! 鍵あけっぱなしやったよ?」

その声が聞こえたとき、反射的に携帯を後ろに隠した。


「あっ、ごめんごめん。 閉めるの忘れてた~」


『アメちゃん どうしたん? 彼氏?』


「次からはちゃんと気ぃつけや?」


「うん…」


『もしもし、アメちゃ<プツン>


あたしは、急いで電話を切った。

そして、入ってきた人を見た。