『ならばおぬしは、空を奏でる音となれ。空になれぬのなら。せめて空を奏でるんだ。だからお主は、空音。』 真っ先に思い浮かんだのは、その名前。 空音が気に入ってくれるかはわからなかったが、それは自分では一番だと思った。 空音は、嬉しそうに微笑んだ。 幼い顔で、無邪気に笑った。 自分でも、空音、空音と何度も繰り返した。 それが自分でも嬉しくてたまらなかった。 だからこそ。 空音には自分の前から消えてほしくはない。 だから今も勇気を出せない。 ちっぽけな、ひ弱な勇気。