「・・・総司、ほかに怪我はないか?」


「はい、大丈夫です。大した怪我はしてませんよ。」


青年は微笑むが、今にも倒れそうだ。
男は青年を見てもともと厳つい顔を更に厳しい顔へと変える。


「・・・近藤さん。この部屋に俺たち以外の誰かがいないか?」



もう一人の男は、眉間に皺をよせ、少し控え目の声でつぶやいた。



「・・・む、そうか?」



「ああ、いる。・・・・押入れだ。」




先ほどよりも更に低く小さい声で、部屋は一気に緊迫した空気に変わる。





最後にこの部屋に入ってきた3~4人のうちの一人が、息をひそめてそっと押入れの襖に近づく。