「・・・!!や、いやッ!!あけてください!!栄太郎さんッ!!」


「お願い!!!・・・もう、何もしゃべらないで。ここでまた空音を見れば、後戻りができなくなる。だから、何があっても・・・絶対にしゃべらないでね。」




スパン!!


襖が開く音がした。


「御用改め!新撰組である!」


「・・・やっと来たんだね。」



何故か、動けなかった。
今すぐにでも襖を開いて、飛び出したかった。
大声を上げて、泣き叫びたかった。


でも、体が動かない。声が出ない。



金縛りにでもあったかのように、まだぬくもりの残る額が、ちりちりと熱くなって。
頬を伝う涙が、とどめなく流れて。





「新選組一番隊隊長、沖田総司・・・参る!!」


「吉田稔麿・・・参る」